越鳥南枝
読み方
えっちょう なんし意味
故郷を離れた者が、生まれ育った土地を深く恋い慕うこと。また、人や動物は自分の本来の住みかや縁の深い場所に心が向かうものだというたとえ。転じて、異郷にあっても故郷への愛着を忘れない気持ちをいう。由来
成立年は明確でないが、中国・後漢末の2世紀ごろに作られたとされる『古詩十九首』の「行行重行行」に見える句「胡馬依北風、越鳥巣南枝」に由来する。北方の馬は北風にいななき、南方の越の鳥は南向きの枝に巣くうという意味から、故郷を思う心のたとえとなった。備考
文章語・漢語的な表現で、日常会話ではあまり使わない。『胡馬北風』と対にして引かれることが多く、望郷や郷土愛を格調高く表す語。例文
- 海外生活が十年を超えると、さすがに越鳥南枝の思いが募ってきた。
- 移民文学には、越鳥南枝の情を描いた作品が少なくない。
- 老いた父は毎年春になると、越鳥南枝のごとく故郷の山を恋しがる。
- この一首は、戦地にある兵の越鳥南枝の心を静かに表している。
- 胡馬北風・越鳥南枝というように、離れて初めて故郷の重みを知ることがある。
類義語
- 望郷の念
- 郷愁
- 首丘之思
- 狐死首丘
- 落葉帰根
対義語
- 四海為家