越鳥南枝
読み方
えっちょう なんし意味
中国の越の国の鳥が、北国に移されても南の枝に止まろうとするというたとえから、故郷を慕い、離れていても故郷の方角を思って心がそちらへ向かうこと(望郷・郷愁)をいう。転じて、人が生まれ故郷や古い縁を忘れがたい心情。由来
中国古典に由来する成句で、越(南方)の鳥は北へ移されても南向きの枝にとまる、という性質を引いて望郷の情をたとえたもの。出典は古典に見えるが、成句としての成立年代の特定は難しく、日本での受容時期も不詳(漢籍受容以後、長く用いられた)。備考
「越」は南方、「南枝」は南向きの枝の意。望郷・郷愁を雅に表す語で、文語的・文章語的に用いられる。日常会話ではやや硬い。例文
- 都会で成功しても、ふと越鳥南枝の思いにかられて故郷へ電話した。
- 海外赴任の夜更け、越鳥南枝の心境で地元の祭りの動画を見返した。
- 引っ越しを重ねても越鳥南枝、結局は生まれ町の方角が気になる。
- 彼は越鳥南枝というが、実際には地元の友人を大切にし続けている。
- 退職後に故郷へ戻る決心をしたのは、越鳥南枝の情が募ったからだ。
類義語
- 狐死首丘
- 郷愁
- 望郷之念
- 懐郷之情
対義語
- 忘恩負義
- 恩知らず
- 薄情非道