衣鉢相伝
読み方
いはつ そうでん意味
師匠から弟子へ、学問・芸道・宗教上の教え、技法、奥義、流派の正統な伝統などが受け継がれること。特に、単なる知識の伝達ではなく、師の精神や真髄まで継承する意味合いをもつ。由来
「衣鉢」は僧の袈裟と鉢のこと。中国の禅宗で、師が法を継ぐ弟子に衣と鉢を授けた慣習・故事に由来する。成立の正確な年は不明だが、唐代(7〜9世紀)ごろの禅宗の伝法観念に根ざし、日本では鎌倉時代以降、禅の広まりとともに用いられるようになった。備考
仏教、とくに禅宗に由来する格式ある語。芸道・職人技・学問の正統な継承を述べる硬い表現で、日常会話ではやや改まった響きがある。例文
- この酒蔵の技は、代々の杜氏によって衣鉢相伝されてきた。
- 彼は師匠の衣鉢相伝を受け、若くして流派の後継者となった。
- 古典芸能の世界では、型だけでなく心構えも衣鉢相伝される。
- 研究室の自由な学風は、創設者から現在の教授へ衣鉢相伝されたものだ。
- 名店の味を守るには、レシピだけでなく職人の勘を衣鉢相伝する必要がある。
類義語
- 師資相承
- 一子相伝
- 口伝秘授
- 奥義伝授
- 伝統継承
対義語
- 断絶
- 失伝
- 廃絶
- 伝統断絶