花鳥諷詠
読み方
かちょう ふうえい意味
自然界の美しい事物や季節の移ろい、またそれに触れて生じる人間の情趣を、俳句などでありのままに詠むこと。特に高浜虚子が唱えた俳句理念で、花・鳥に代表される自然や季題を中心に、感情を過度に説明せず詩情として表す態度をいう。由来
「花鳥」は花や鳥など自然界の風物、「諷詠」は詩歌に詠み込むこと。近代俳人・高浜虚子が、俳句の本質を季題・自然の詠嘆に置く理念として提唱した語で、大正期から昭和初期にかけて俳壇で定着した。正確な初出年は諸説あり不詳だが、1920年代には虚子の俳論で広く用いられた。備考
俳句史・俳論で用いられる専門性の高い語。自然描写だけでなく、季題を通して人間の情感を表す考え方として理解される。例文
- 虚子の俳句を読むと、花鳥諷詠の精神が句の隅々に感じられる。
- 彼は社会批評よりも、庭の梅や渡り鳥を題材にした花鳥諷詠を好んだ。
- 花鳥諷詠は、単なる自然礼賛ではなく、季節に映る人間の心を詠む姿勢でもある。
- 句会では、花鳥諷詠に徹した静かな作品が高く評価された。
- 現代俳句の多様化の中でも、花鳥諷詠を俳句の基本と考える人は少なくない。
類義語
- 花鳥風月
- 雪月風花
- 客観写生
- 有季定型
対義語
- 無季俳句
- 社会性俳句
- 新興俳句