無用之用
読み方
むよう の よう意味
一見すると役に立たないもの、無駄に見えるものにも、実は大切な働きや価値があるということ。目先の実用性だけでは物事の真価は測れず、不要と思われるものがかえって人や社会を支える場合がある、という考え方を表す。由来
中国戦国時代(紀元前4〜3世紀ごろ)の道家思想書『荘子』に由来する。とくに「人間世」に見える「人は皆、有用の用を知るも、無用の用を知ること莫し」という趣旨の言葉がもと。役に立たないために伐られず、かえって長く生きる木の寓話などを背景に、無価値に見えるものの価値を説いた。備考
現代では「無用の用」と書くことも多い。日常会話より、評論・随筆・思想的な文脈で使われやすい。単に「役立たず」という意味ではない。例文
- 一見むだに思える雑学にも、発想を広げる無用之用がある。
- 利益を生まないからと芸術を切り捨てるのは、無用之用を理解しない態度だ。
- 公園の広場は何もしていないようで、人々を休ませる無用之用を果たしている。
- 若いころの回り道も、後になってみれば無用之用だったと気づくことがある。
- 祖父は『子どもの遊びには無用之用がある』と言って、結果だけを求めなかった。
類義語
- 無駄の効用
- 余白の価値
- 役に立たぬものの価値
対義語
- 実用本位
- 功利主義
- 有用性第一