意到筆随
読み方
いとう ひつずい意味
考えや構想がまとまると、それに従って筆が自然に進むこと。文章・詩・書画などで、思い描いた内容を滞りなく自在に表現できるさまをいう。特に、書や文章表現の巧みさ、筆運びのなめらかさを表す語。由来
中国の文章論・書画論に由来する成語。「意」は心中の構想・趣意、「到」は十分に行き届くこと、「筆随」は筆がそれに従って動くことを表す。具体的な初出や成立年は不詳だが、中国の古典的な文人文化・書画批評の語彙として広まり、日本にも漢籍受容を通じて伝わったと考えられる。備考
日常会話ではあまり使わず、文学・書道・絵画・評論などで用いられる硬い表現。単なる速筆ではなく、構想と表現が一致する熟達の境地を含む。例文
- 彼の随筆はまさに意到筆随で、思索の流れがそのまま美しい文章になっている。
- 長年の修練を積んだ書家だけあって、筆を取ると意到筆随の境地に入る。
- 構成を十分に練ってから書き始めたので、今回は意到筆随に原稿が進んだ。
- あの画家の線には迷いがなく、意到筆随という言葉がぴったりだ。
- 詩人は旅先で得た感興を、意到筆随に短い詩へと結晶させた。
類義語
- 自由自在
- 縦横無尽
- 意のまま
- 筆勢自在
- 行雲流水
対義語
- 意在筆先
- 筆拙意窮
- 遅筆難渋