哀鴻遍野
読み方
あいこう へんや意味
戦乱・災害・悪政などによって、住む場所や生活の糧を失った人々が各地にあふれ、悲しみ苦しんでいるさま。泣き叫ぶ雁が野に満ちる情景にたとえ、社会全体が惨状に包まれていることをいう。由来
中国最古の詩集『詩経』小雅「鴻雁」に見える「鴻雁于飛、哀鳴嗷嗷」(雁が飛び、悲しげに鳴く)に由来する。「哀鴻」は苦しむ民のたとえで、後に「遍野」(野にあまねく広がる)と結びつき、成語化した。『詩経』の成立は西周初期から春秋時代、紀元前11〜前6世紀ごろとされる。備考
文学的・漢文調の硬い表現で、日常会話ではほとんど使わない。戦争・災害・飢饉など大規模な民衆の苦難を描写する際に用いられる。例文
- 長引く内戦で村々は焼かれ、国境地帯は哀鴻遍野のありさまとなった。
- 大洪水の後、避難所には家を失った人々が押し寄せ、まさに哀鴻遍野であった。
- 悪政と重税が続き、かつて豊かだった地方も哀鴻遍野の惨状を呈している。
- 記者は被災地を歩き、哀鴻遍野という言葉以外に表現しようのない現実を目の当たりにした。
- 歴史書には、飢饉の年に都の外まで哀鴻遍野となったことが記されている。
類義語
- 塗炭之苦
- 生霊塗炭
- 阿鼻叫喚
- 満目荒涼
- 哀鴻野に満つ
対義語
- 安居楽業
- 天下泰平
- 国泰民安
- 太平無事