厭離穢土
読み方
おんり えど意味
仏教で、煩悩や苦しみに満ちたこの世(穢土)をいとい、そこから離れたいと願うこと。多くは「厭離穢土・欣求浄土」の形で、現世の迷いを離れて浄土を求める心を表す。転じて、今いる環境を強く嫌って逃れたい気持ちをたとえることもある。由来
仏教、特に浄土教の語。中国で漢訳された浄土教系の経典・論書に基づく表現で、日本では平安時代中期、源信の『往生要集』(984年)などを通じて広く知られるようになった。「厭離」は嫌って離れること、「穢土」は煩悩と苦しみに満ちた現世を指す。備考
仏教語。単独より「厭離穢土欣求浄土」の形で知られ、徳川家康の旗印でも有名。日常会話では古風で重い響きがある。例文
- 浄土教では、まず厭離穢土の心を起こし、迷いと苦しみに満ちた現世を離れたいと願うことが説かれる。
- 住職は法話で、「厭離穢土とはこの世を憎むことではなく、煩悩から離れようとする心です」と語った。
- 歴史資料には、徳川家康が「厭離穢土欣求浄土」と記した旗印を用いたことが見える。
- 彼は長年の争いに疲れ、まるで厭離穢土の境地だと自嘲気味に漏らした。
- その随筆には、老いを迎えて厭離穢土の思いが深まり、静かな信仰へ向かう心情が描かれている。
類義語
- 出離生死
- 遁世離俗
- 世を厭う