単文孤証
読み方
たんぶん こしょう意味
ただ一つの文章・文献上の記述と、ただ一つの証拠だけを根拠にすること。また、そのために論拠が乏しく、結論としては十分に信頼しにくいことをいう。学術・考証・法律などで、証拠が少なすぎる状況を批判的に表す語。由来
中国の漢籍・考証の世界で生まれた漢語表現と考えられるが、明確な初出や成立年は未詳。おおむね近世以前から、文献学・注釈学・考証学の文脈で「一つの文と一つの証拠だけでは立論として弱い」という意味で用いられ、日本でも漢文訓読や学術批評を通じて受け入れられた。備考
日常会話より、学術・考証・法律・評論で使われやすい語。多くは「単文孤証では断定できない」のように、証拠不足を批判的に述べる際に用いる。例文
- その仮説は単文孤証にすぎず、定説として採用するには無理がある。
- 出土資料が一例しかない以上、単文孤証で時代を断定するのは危険だ。
- 裁判においては、単文孤証だけで有罪を認めることはできない。
- 古典注釈では単文孤証を避け、類例を広く集めて解釈すべきだ。
- 彼の指摘は興味深いが、現段階ではまだ単文孤証の域を出ていない。
類義語
- 証拠不十分
- 根拠薄弱
- 孤証
対義語
- 証拠確鑿
- 動かぬ証拠
- 多角的立証