冷暖自知
読み方
れいだん じち意味
水の冷たさや温かさは、実際に飲んだ本人にしか分からないという意から、物事の真実・苦楽・境地などは、自分で経験して初めて本当に理解できるということ。特に、悟りや内面的な実感は言葉だけでは伝えきれない、という意味で用いられる。由来
中国の仏教・禅の文脈に由来する語で、「如人飲水、冷暖自知(人が水を飲めば、冷暖は自ら知るがごとし)」という句に基づく。出典としては北宋時代の禅宗史書『景徳伝灯録』(1004年成立)などに見えるとされるが、類似表現は仏典・禅語に広く伝わり、正確な初出年は不詳。日本には禅籍の受容とともに伝わった。備考
禅語としての性格が強く、日常会話より文章語・講話・評論で使われやすい。単なる「経験すれば分かる」より、内面的な悟りや実感を重んじる語。例文
- 修行の厳しさは、外から見ているだけでは分からない。まさに冷暖自知だ。
- 失恋の痛みは慰めの言葉だけでは癒えず、冷暖自知の経験として本人の中に残る。
- 起業の苦労は本で学べても、資金繰りの不安は冷暖自知で、実際に経営してみなければ分からない。
- 茶道の奥深さは説明を聞くだけでは足りず、稽古を重ねて冷暖自知するものだ。
- 海外で一人暮らしをして初めて、異文化で生きる難しさを冷暖自知した。
類義語
- 体験自得
- 実感体得
- 百聞不如一見
- 不立文字
対義語
- 机上空論
- 紙上談兵
- 伝聞臆測