以夷制夷
読み方
いを もって いを せいす意味
外国勢力や敵対する集団を利用して、別の外国勢力・敵対集団を抑え込むこと。自分が直接対抗するのではなく、相手側と同質の力や内部対立を利用して制御する外交・統治上の策をいう。由来
中国古代の華夷思想に基づく語で、「夷」は本来、中華から見た周辺民族を指す。漢文訓読では「夷を以て夷を制す」。成立時期は不詳だが、同趣旨の発想は5世紀成立の『後漢書』など中国史書に見られ、後世の外交・辺境統治の成語として定着した。備考
「夷」は歴史的に中華思想から見た差別的語感を含むため、現代では主に歴史・外交論や比喩として慎重に用いられる。例文
- 列強の対立を利用して自国の安全を図る政策は、まさに以夷制夷の発想だ。
- 政府は周辺勢力同士を競わせ、以夷制夷によって反乱の拡大を防ごうとした。
- 彼の交渉術は、ライバル企業を別のライバル企業に牽制させる以夷制夷に近い。
- 以夷制夷は短期的には有効でも、利用した相手が後に脅威となる危険がある。
- 幕末の外交を論じる際、欧米諸国の利害対立を利用する以夷制夷の策がしばしば話題になる。
類義語
- 以夷攻夷
- 夷を以て夷を制す
- 漁夫の利
- 遠交近攻
対義語
- 自力更生
- 自主独立
- 正面突破