二律背反
読み方
にりつ はいはん意味
互いにもっともらしい根拠をもち、どちらも正しいように見える二つの命題・原理が、同時には成り立たず矛盾し合うこと。転じて、どちらも捨てがたい価値や立場が強く衝突し、簡単には解決できない対立をいう。由来
もとは西洋哲学、とくにカントの哲学で用いられた「Antinomie(アンチノミー)」の訳語。明治期(19世紀後半)に哲学用語として日本語に定着したと考えられる。『二つの法則・原理が互いに背き反する』という意味の漢語表現で、正反対の命題がともに論証可能である状況を指した。正確な初出年は不詳。備考
日常では「両立しにくい二つの価値の対立」の意味で広く使うが、もとは哲学用語。単なる不一致より、どちらにも理がある深い矛盾を表すときに適する。例文
- 環境保護と経済成長の二律背反に、多くの企業が頭を悩ませている。
- 子どもの自由を尊重したい気持ちと安全を守りたい責任は、親にとってしばしば二律背反となる。
- この小説は、愛と義務の二律背反に引き裂かれる主人公を描いている。
- 学問の自由と社会的責任の二律背反を、大学はどう調停すべきだろうか。
- 効率化を進めるほど現場の丁寧さが失われるという二律背反が、この仕事にはある。
類義語
- アンチノミー
- 矛盾
- 背理
- パラドックス
対義語
- 両立
- 整合
- 一致
- 調和