九腸寸断
読み方
きゅうちょう すんだん意味
はらわたが寸寸に断ち切られるように、耐えがたいほど深く悲しみ苦しむこと。とくに、肉親との死別や重大な喪失などで、胸が張り裂けるような悲痛な心情を表す。由来
「九腸」は多くの腸、転じて腹の中・心の奥を表し、「寸断」は少しずつ細かく断ち切る意。典拠は中国南朝宋の劉義慶が5世紀前半ごろ編んだ『世説新語』黜免篇に見える「腸皆寸寸断」の故事とされる。晋の桓温が蜀へ入る途中、子猿を奪われた母猿が悲しみのあまり死に、腹を裂くと腸が寸断されていたという話に基づく。備考
非常に文語的で重い表現。日常会話では大げさに響くため、弔辞・追悼文・文学的文章など、深刻な悲嘆を述べる場面に向く。例文
- 突然の訃報を聞いた母は、九腸寸断の思いでその場に立ち尽くした。
- 故郷の町が災害で変わり果てた姿を見て、彼は九腸寸断の悲しみに沈んだ。
- 長年連れ添った妻を失った祖父の胸中は、まさに九腸寸断だったに違いない。
- 保護した動物を救えなかった獣医は、九腸寸断の思いを抱えながら次の治療に向かった。
- 謝罪の言葉を述べる社長の表情には、被害者への九腸寸断たる思いがにじんでいた。
類義語
- 断腸之思
- 断腸の思い
- 悲痛欲絶
- 五内如焚
- 哀毀骨立
対義語
- 歓天喜地
- 欣喜雀躍
- 喜色満面
- 有頂天外