三界無安
読み方
さんがい むあん意味
仏教で、欲界・色界・無色界という迷いの世界すべてに真の安らぎはなく、煩悩や苦しみに満ちているということ。転じて、この世は不安定で苦が多く、永続する安心は得にくいという人生観を表す。由来
『法華経』譬喩品の「三界無安、猶如火宅」に由来する仏教語。三界は衆生が輪廻する迷いの世界を指し、それが燃える家のように危うく安らかでないと説く。現行漢訳の『妙法蓮華経』は後秦の鳩摩羅什訳で、成立は406年ごろ。原典の成立時期は諸説あり不詳。備考
日常会話ではまれで、仏教・古典・文学的文脈で用いられる硬い語。厭世的表現に見えるが、仏教では悟りへの自覚を促す言葉。例文
- 老僧は、栄華に酔う人々を見て、三界無安の道理を静かに説いた。
- 戦乱と疫病が続く世に、民衆はまさに三界無安を実感していた。
- どれほど財産を築いても心が休まらないのは、三界無安を忘れているからだ。
- この物語は、華やかな宮廷生活の裏にある三界無安を描いている。
- 彼女は親しい人の死をきっかけに三界無安を悟り、仏門に入った。
類義語
- 一切皆苦
- 諸行無常
- 娑婆苦界
- 火宅無常
対義語
- 安穏無事
- 天下泰平
- 平穏無事
- 極楽浄土