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一衣一鉢

読み方

いちえ いっぱつ

意味

仏教語で、僧が身につける一枚の衣と、食を受けるための一つの鉢だけを持つことをいう。転じて、持ち物を極限まで減らし、世俗的な欲を離れて質素・清貧に生きること、またそのような修行僧の姿を表す。

由来

仏教における出家者の理想的な生活に由来する語で、衣一枚と鉢一つだけを持って托鉢・行脚する僧の姿を表した。起源は古代インド仏教の修行生活にさかのぼり、中国仏教・禅宗で成句として定着したと考えられる。日本では中世、鎌倉〜室町期(13〜15世紀ごろ)の禅林で用例が見られるが、正確な初出年は未詳。

備考

日常会話ではやや硬く、仏教・文学・評論で使われやすい語。単なる『貧しさ』ではなく、執着を離れた質素さや清貧の含みをもつ。

例文

  • 禅僧は一衣一鉢で諸国を行脚し、人々に法を説いた。
  • 退職後は物を持たない一衣一鉢の暮らしをしてみたいと彼は語った。
  • その小説は、一衣一鉢の身で旅を続ける老僧の清貧を描いている。
  • 家財を処分して山里へ移った彼の生活は、まさに一衣一鉢というべきものだった。
  • 欲を捨てて一衣一鉢の境地に近づこうとする姿勢に、私は深く心を打たれた。

類義語

  • 無一物
  • 清貧
  • 質素倹約

対義語

  • 豪華絢爛
  • 贅沢三昧
  • 栄華栄耀

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