一簣之功
読み方
いっき の こう意味
物事を完成させるために必要な、最後のわずかな努力や働きのこと。「簣」は土を運ぶもっこ・かごで、山を築くときの最後の一杯の土になぞらえる。大事業や長い努力を成就させるための、仕上げの一歩をいう。由来
中国古典に由来する成語。「簣」は土を入れて運ぶ竹かご・もっこ、「之」は「の」。『書経』旅獒篇の「為山九仞、功虧一簣」(九仞の山を築いても最後の一簣を欠けば功は成らない)や、『論語』子罕篇の「未成一簣」に見える発想から、最後の一かご分の土=完成直前のわずかな努力を指すようになった。原典は先秦時代の文献に基づくが、成語としての成立時期は不詳。おおむね古代中国、前5〜前2世紀頃に伝承・整理された思想的背景をもつ。備考
文語的・漢文調で、日常会話ではまれ。否定形の「功虧一簣」「九仞の功を一簣に虧く」のほうが広く知られる。例文
- この計画はほぼ完成しているが、最後の検証という一簣之功を怠ってはならない。
- 十年続いた研究を論文として結実させるには、データを整理する一簣之功が必要だ。
- 交渉は大詰めを迎え、合意文書の文言を整える作業が一簣之功となった。
- 九合目まで来たのだから、ここで気を抜かず一簣之功を積んで目標を達成しよう。
- 製品の品質を左右するのは、発売直前の細かな点検という一簣之功である。
類義語
- 最後の一押し
- 仕上げの一手
- 画竜点睛
- 仕上げの努力
- 寸功
対義語
- 功虧一簣
- 九仞之功を一簣に虧く
- 画竜点睛を欠く
- 中途半端
- 未完成