一毛不抜
読み方
いちもう ふばつ意味
自分の利益を少しでも失うことを極端に嫌い、たとえごくわずかな犠牲や出費でもしようとしないこと。特に、非常にけちな態度や、公共のためであっても自分のものを差し出さない利己的な姿勢をいう。由来
中国戦国時代(紀元前4〜3世紀ごろ)の思想家・孟子の言行を伝える『孟子』尽心上に見える、楊朱についての「一毛を抜いて天下を利するも為さず」という趣旨の記述に由来する。天下のためになるとしても自分の毛一本さえ抜かない、という利己的態度を表す語として後に四字句化した。日本でいつから定着したかの正確な時期は不明だが、漢籍受容を通じて用いられるようになった。備考
「毛一本も抜かない」という比喩から、単なる倹約ではなく、利己的・非協力的なけちさを批判的にいう語。日常会話ではやや硬い表現。例文
- 彼は寄付を頼まれても一円も出さず、一毛不抜の人だと言われている。
- 地域の祭りのための少額の負担さえ拒むとは、まさに一毛不抜だ。
- 社長は社員には節約を強いる一方、自分の利益は一毛不抜で守ろうとする。
- 困っている友人を前にしても財布を開かない彼の態度には、一毛不抜という言葉がぴったりだ。
- 公共の利益になる計画でも、自分が少しでも損をすると見るや一毛不抜の姿勢を崩さない。
類義語
- 吝嗇
- けち
- 守銭奴
- 一銭を惜しむ
- 身銭を切らない
対義語
- 一擲千金
- 気前がよい
- 太っ腹
- 惜しみなく与える