貧者一灯
読み方
ひんじゃ の いっとう意味
貧しい人が供える一つの灯明の意から、物の量や金額はわずかでも、真心や深い志がこもっていれば尊く価値があるということ。また、貧しい人が精いっぱい差し出す寄進・助力を敬っていう語。由来
仏教説話に由来する。『阿闍世王授決経』などに見える「貧女の一灯」の故事で、阿闍世王が多数の灯明を供えた一方、貧しい女性が乏しい金で一灯を供えたところ、その灯だけが消えなかったとされる。成立年代は厳密には不明だが、古代インドの仏教説話が中国で漢訳仏典として伝わった時期、概ね3〜5世紀頃に遡ると考えられる。備考
「貧者の一灯」とも書く。自分の寄付や助力を謙遜して言う用法が多い。他人の行為に使うと、金額の少なさを指摘する響きもあるため配慮が必要。例文
- 寄付額は少ないが、被災地を思う彼女の貧者一灯の志に、周囲は胸を打たれた。
- 学生たちはアルバイト代を少しずつ出し合い、貧者一灯ながら図書館再建の募金に協力した。
- 豪華な贈り物ではないが、手作りの弁当には貧者一灯ともいうべき温かい気持ちが込められていた。
- 彼は『貧者一灯ですが』と言って、長年世話になった寺にわずかな浄財を納めた。
- 大企業の巨額支援もありがたいが、名もない人々の貧者一灯の積み重ねが、この活動を支えている。
類義語
- 貧女一灯
- 貧女の一灯
- 志は松の葉
- 寸志
- 真心のこもった施し
対義語
- 長者万灯
- 長者の万灯