虎渓三笑
読み方
こけい さんしょう意味
立場・思想・宗教などの違いを超えて、心を通わせ談笑すること。また、話に夢中になって決まりや境界をうっかり越えてしまうほど、親しく楽しい交わりをいう。特に儒教・仏教・道教の融和を象徴する故事として用いられる。由来
中国の故事に由来する。東晋の僧・慧遠は廬山の東林寺に住み、来客を見送る際も虎渓を越えないと誓っていた。しかし陶淵明と道士・陸修静を送るとき、談論に夢中になって虎渓を越え、虎の吠え声で気づいた三人が大笑いしたという。説話の成立時期は不詳だが、人物の年代には齟齬があり、宋代以降に絵画の画題として広く流布したとされる。備考
日常会話ではまれで、漢詩文・日本画・禅林文化の文脈で見かける語。単なる「三人で笑う」ではなく、思想や立場を超えた交遊を含意する。例文
- 宗派の違う三人の学者が夜更けまで語り合う姿は、まさに虎渓三笑の趣があった。
- 会議は対立で始まったが、最後は互いの知恵を認め合い、虎渓三笑のような和やかな雰囲気で終わった。
- その茶会では僧侶、科学者、芸術家が肩書を忘れて談笑し、虎渓三笑を思わせた。
- 思想の違いを責め合うのではなく、虎渓三笑の精神で対話を続けたい。
- 展覧会に並ぶ『虎渓三笑』の絵は、三教融和の理想を静かに伝えている。
類義語
- 三教一致
- 三教合一
- 和而不同
- 忘形の交わり
対義語
- 党同伐異
- 異端排斥
- 宗派対立