枯木寒巌
読み方
こぼく かんがん意味
枯れた木と冷たい岩のように、感情や欲望が失われ、温かみや潤いがないさま。特に、世俗の情念を離れた僧や、感情を表に出さず冷淡に見える人のたとえとして用いられる。文脈により、煩悩を断った静かな境地を肯定的にいう場合と、人間味のなさを否定的にいう場合がある。由来
中国の禅語に由来する表現。「枯木」は生気を失った木、「寒巌」は冷えきった岩・岩屋を指し、世俗の欲情や情念を離れた静寂な境地を比喩したもの。禅宗文献では宋代(10〜13世紀)ごろから用例が見られるとされるが、成立年は不詳。日本には禅籍の受容とともに伝わり、僧の境地や冷淡な人物評に使われるようになった。備考
禅語としては高い精神的境地を表すが、日常では「冷淡で人間味がない」という否定的評価にもなり得る。硬い文章語で、会話ではあまり使われない。例文
- 長年の修行を経た老僧は、枯木寒巌の境地にあるように静かに座っていた。
- 彼はどんな悲報を聞いても表情一つ変えず、周囲から枯木寒巌の人だと思われている。
- 芸術家として成功した彼女は名声にも金銭にも動じず、枯木寒巌の趣があった。
- 上司の対応はあまりに枯木寒巌で、部下の苦しみに寄り添う姿勢が感じられなかった。
- 欲望を断ち切ったつもりでも、枯木寒巌のような心境に至るのは容易ではない。
類義語
- 枯木死灰
- 冷酷無情
- 木石心腸
- 木石の心
- 冷淡無情
対義語
- 多情多感
- 春風駘蕩
- 温情篤実
- 人情味豊か