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天理人欲

読み方

てんり じんよく

意味

朱子学などでいう「天の理法・道徳的な正しさ」と「人間の私欲・利己的な欲望」の対立を表す語。人が本来従うべき普遍的な道理と、それを曇らせる欲望とを対比し、修養や倫理判断の問題として論じる際に用いられる。

由来

中国・宋代の儒学、特に朱子学に由来する語。朱熹(1130〜1200年、南宋)が説いた「天理」と「人欲」の対概念、また「存天理、滅人欲」という思想に基づく。日本では江戸時代以降、朱子学の受容とともに倫理・修養論の語として用いられた。

備考

日常会話ではほとんど使われず、儒学・思想史・倫理学の文脈で用いられる硬い語。単なる「理性と欲望」より朱子学的な含意が強い。

例文

  • 朱子学の講義では、天理人欲の区別が人間修養の基本として説明された。
  • 大きな利益を前にして、彼は天理人欲の間で激しく揺れ動いた。
  • この物語は、主人公が天理人欲の葛藤を乗り越えて正義を選ぶ過程を描いている。
  • 江戸時代の儒者たちは、政治においても天理人欲をわきまえることが重要だと説いた。
  • 私利私欲を抑えて公のために働く姿勢は、天理人欲という観点からも評価できる。

類義語

  • 理欲
  • 義利之弁
  • 存天去欲

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