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咫尺天涯

読み方

しせき てんがい

意味

距離や立場の上ではすぐ近くにあるのに、事情・身分・感情などの隔たりのため、はるか遠くに感じられること。会いたくても会えないことや、近くにいながら心が通わないことを表す。

由来

中国古典に由来する漢語表現です。「咫尺」はごく近い距離、「天涯」は空の果てのような非常に遠い場所を意味し、その対比で「近いのに遠い」状態を表します。正確な初出ははっきりしませんが、遅くとも唐代(7〜10世紀)ごろの漢詩文に通じる発想が見られ、日本には漢籍の受容を通じて伝わりました。

備考

漢文調のやや硬い表現。物理的な近さだけでなく、身分差・制度・感情の隔たりによって「会えない」「通じ合えない」状況にも使う。日常会話では「近くて遠い」と言い換えることが多い。

例文

  • 同じ社屋で働いているのに部署が違って話す機会もなく、彼とは咫尺天涯の関係だ。
  • 隣国でありながら往来が途絶えていた時代、両国の人々は咫尺天涯の思いを抱いていた。
  • 同じ家に暮らしていても会話のない夫婦は、まさに咫尺天涯と言える。
  • 病室はすぐ近くなのに面会制限で会えず、家族は咫尺天涯の切なさを味わった。
  • 宮中に仕えながら帝に直接お目にかかれない女房たちは、咫尺天涯の嘆きを歌に託した。

類義語

  • 近くて遠い
  • 同床異夢
  • 貌合神離

対義語

  • 親密無間
  • 水魚之交
  • 意気投合

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