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咫尺千里

読み方

しせき せんり

意味

物理的にはごく近いのに、事情や心の隔たりのために非常に遠く感じられること。また、わずかな空間や小さな画面の中に、千里にも及ぶ広大な景色や世界を感じさせること。特に山水画などの表現をいう。

由来

中国の古い詩文・画論に由来するとされ、南北朝時代(5〜6世紀ごろ)には、狭い画面に遠大な景色を表す趣をいう表現として見られる。日本へは漢籍の受容とともに伝わった。正確な初出には諸説ある。

備考

文語的・漢語的な表現で、日常会話より文章語や美術評で使われやすい。『近いのに遠い』と『小さな中に広大さを示す』の二義がある。

例文

  • 同じ町に住んでいながら長く会えず、私たちは咫尺千里の思いを抱いていた。
  • 席は隣でも心が通わず、二人の関係はまさに咫尺千里だった。
  • この山水画は、小さな画幅の中に咫尺千里の趣を見事に表している。
  • 国境の事情で会えない恋人を思うたび、咫尺千里の感がいっそう深まった。
  • 名匠の屏風絵には、限られた空間の中に咫尺千里の景が広がっている。

類義語

  • 咫尺天涯
  • 尺幅千里

対義語

  • 近在咫尺
  • 一衣帯水

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