冠履転倒
読み方
かんり てんとう意味
物事の上下・本末・軽重などの関係が逆になっていること。本来は上に置くべきものと下に置くべきもの、重んじるべきものと従属的なものの順序や価値が入れ替わり、道理に合わない状態をいう。由来
「冠」は頭にかぶるもの、「履」は足にはく履物を指し、それらが逆さまになるという比喩から生まれた語。中国古典由来の漢語表現とされ、日本には漢籍受容を通じて伝わった。正確な初出年は不明だが、近世以前から類似表現「冠履倒置」などとともに用いられたと考えられる。備考
「本末転倒」よりも硬く、文章語・評論調で使われる。日常会話ではやや珍しいが、価値判断や秩序の逆転を批判する文脈に適する。例文
- 利益を守るために安全対策を後回しにするのは、まさに冠履転倒の発想だ。
- 部下の手柄を上司の功績として扱うような評価制度は、冠履転倒と言わざるを得ない。
- 学ぶために資格を取るはずが、資格の数だけを競うようになっては冠履転倒である。
- 住民の生活を守るための行政が、手続きの都合を優先して住民を困らせるのは冠履転倒だ。
- 研究の質よりも発表件数だけを重視する風潮には、冠履転倒の危うさがある。
類義語
- 本末転倒
- 主客転倒
- 価値転倒
- 上下転倒
- 冠履倒置
対義語
- 順序整然
- 上下分明
- 本末分明
- 主客分明