兵不厭詐
読み方
へいは さを いとわず意味
戦争や勝負の場では、勝つために敵を欺く策略や偽装を用いることも避けるべきではない、という意味。転じて、競争や駆け引きでは正攻法だけでなく、相手の意表を突く策も必要だという考えを表す。ただし、日常的な不正や卑劣な嘘を正当化する語ではない。由来
古代中国の兵法思想に由来する成語。「兵」は戦争・軍事、「詐」は偽りや欺く策、「不厭」は嫌わない・避けない意。典拠は戦国時代末期、紀元前3世紀頃の『韓非子』難一に見える「戦陣之間、不厭詐偽」とされる。また、同趣旨の考えは『孫子』計篇の「兵者詭道也」(兵とは敵を欺く道である)にも見られる。備考
本来は軍事・兵法の語。現代では比喩的に交渉、スポーツ、ビジネスの駆け引きにも使うが、相手をだます行為を無条件に肯定する表現ではない。例文
- 奇襲や陽動を組み合わせた作戦は、まさに兵不厭詐の考え方に基づいている。
- 交渉では手の内をすべて明かさず、兵不厭詐の精神で相手の出方を見極める必要がある。
- 監督は決勝戦で先発メンバーを直前まで伏せ、兵不厭詐とばかりに相手チームを惑わせた。
- ビジネス競争に兵不厭詐を持ち込むにしても、法や倫理を踏み越えてはならない。
- 敵を油断させてから一気に攻め込むとは、古来いう兵不厭詐そのものだ。
類義語
- 兵は詐を厭わず
- 兵者詭道
- 兵は詭道なり
- 権謀術数
- 詭計多端
対義語
- 正々堂々
- 公明正大
- 堂々正正
- 信義誠実