人間疎外
読み方
にんげん そがい意味
社会制度・機械化・組織化・資本主義的な労働などによって、人間が本来もつ主体性・個性・人間らしさを失い、自分自身や他者、仕事、社会から切り離されたように感じる状態。人が社会の中心ではなく、制度や物の従属物のように扱われる状況をいう。由来
「疎外」はドイツ語 Entfremdung、英語 alienation の訳語として明治期(19世紀末ごろ)以降、哲学・社会思想の分野で用いられた。特にマルクスの『経済学・哲学草稿』(1844年)などの疎外論が戦後日本で広く紹介され、機械文明・大衆社会・管理社会による人間性の喪失を指す語として「人間疎外」が定着した。日本語での正確な初出年は不詳。備考
日常会話よりも哲学・社会学・文学批評・労働問題の文脈で使われる硬い語。単なる孤独感ではなく、社会構造によって人間性が損なわれる含みが強い。例文
- 単調な流れ作業ばかりを続けるうちに、彼は仕事への誇りを失い、人間疎外を感じるようになった。
- この小説は、巨大都市で孤独に生きる若者たちの人間疎外を鋭く描いている。
- 効率だけを追求する企業文化は、社員の創造性を奪い、人間疎外を生む危険がある。
- AIやロボットの導入が進む現代だからこそ、人間疎外を防ぐ働き方を考える必要がある。
- 彼女の研究テーマは、現代社会における消費主義と人間疎外の関係である。
類義語
- 疎外
- 疎外感
- 非人間化
- 自己疎外
- 物象化
対義語
- 人間回復
- 人間尊重
- 自己実現
- 人間解放