人心恟々
読み方
じんしん きょうきょう意味
世の中の不安や動揺が広がり、人々の心が落ち着かず、恐れや疑いでざわついている状態をいう。特に、政治や社会の情勢が不安定で、民衆が先行きに強い不安を抱いているさまを表す。由来
中国古典に由来する漢語表現です。『恟恟』は「恐れて騒ぐ」「不安で落ち着かない」という意味で、社会不安の中で人々の心が動揺するさまを表しました。『人心恟々』としての正確な初出は未詳ですが、遅くとも中国の漢代〜六朝期(紀元前後〜6世紀ごろ)の漢文語の流れにさかのぼると考えられ、日本には漢籍の受容を通じて伝わりました。備考
文章語で硬い表現。日常会話ではあまり使われず、報道・評論・歴史叙述で用いられやすい。表記は『人心洶々』『人心洶洶』とされることもある。例文
- 政府の突然の方針転換により、市場は人心恟々の様相を呈した。
- 余震が続く被災地では、人心恟々たる夜がいまも続いている。
- 根拠のない流言が広まり、町は人心恟々として落ち着かなかった。
- リストラのうわさが出てから、社内は人心恟々としている。
- 指導者の急病が伝わると、国中が人心恟々となった。
類義語
- 戦々恐々
- 疑心暗鬼
- 人心動揺
- 民心不安
対義語
- 天下泰平
- 平穏無事
- 安居楽業