一饋十起
読み方
いっき じっき意味
一度の食事の間に十度も席を立つこと。転じて、食事も落ち着いて取れないほど政務・仕事・来客対応などに忙しいこと。また、賢人や有能な人材を迎えるために、身分にこだわらず熱心に応対することをいう。由来
中国・前漢の思想書『淮南子』氾論訓に見える「一饋而十起」に由来するとされる。『淮南子』は淮南王劉安らが編纂し、紀元前139年ごろ漢の武帝に献上された書。食事中でも何度も立って用務や人への応対に当たった古代の聖王・為政者の勤勉さをたたえる文脈から生まれた表現。備考
日常会話ではかなり硬く古風な語。主に文章語で、為政者・経営者などが多忙をいとわず人材や民意に応じる姿勢を称える文脈で使われる。例文
- 新任の市長は災害対応に追われ、就任直後から一饋十起の忙しさだった。
- 社長は有望な技術者を迎えるため、一饋十起の思いで面談の時間を作った。
- 選挙期間中の候補者は、食事の途中にも支持者への挨拶に立つ一饋十起の毎日を送った。
- 彼は研究資金を集めるために各所を奔走し、まさに一饋十起の状態である。
- 名君とは、民の訴えを聞くためなら食卓を離れることもいとわない、一饋十起の姿勢を持つ者だ。
類義語
- 一飯三吐哺
- 一沐三握髪
- 握髪吐哺
- 宵衣旰食
- 勤倹力行
対義語
- 無為無策
- 怠惰放逸
- 安閑恬静
- 尸位素餐