一薫一蕕
読み方
いっくん いちゆう意味
よいもの・善人と悪いもの・悪人が一緒になると、悪いほうの影響が強く残り、よいものが損なわれやすいことのたとえ。香草「薫」と悪臭のある草「蕕」を一緒に置くと、悪臭が勝って長く消えないという意から、善悪・賢愚の混在、とくに悪の害の強さをいう。由来
中国古典『春秋左氏伝』僖公四年の「一薫一蕕、十年尚猶有臭」に由来する。僖公四年は前656年頃の出来事を扱い、『左伝』自体の成立は一般に戦国時代、前4世紀頃とされる。薫は香りのよい草、蕕は悪臭のある草で、両者を同じ所に置くと悪臭だけが長く残るという比喩から生まれた。備考
非常に硬い漢語表現で、日常会話ではまれ。古典・評論・訓戒的文章で用いられることが多い。単なる「混在」より、悪が善を損なう含みが強い。例文
- どれほど優れた人材を集めても、組織の中に不正を平然と行う者がいれば、一薫一蕕で全体の信頼が失われる。
- 彼は友人関係について、一薫一蕕を恐れ、悪い習慣に引きずられないよう付き合う相手を慎重に選んだ。
- 古い格言に一薫一蕕とあるように、わずかな悪評でも企業イメージには長く残ってしまう。
- 善意の寄付活動だったが、一部の関係者の横領が発覚し、一薫一蕕の結果、活動全体が疑われることになった。
- 教育現場では、一薫一蕕にならぬよう、いじめや不正を見過ごさない姿勢が大切だ。
類義語
- 薫蕕同器
- 玉石混淆
- 善悪混淆
- 賢愚混淆
対義語
- 勧善懲悪
- 善悪分明
- 玉石分明