一筆抹殺
読み方
いっぴつ まっさつ意味
筆で一度に消し去るように、ある物事・意見・業績・価値などをすべて否定し、存在しないもの・無価値なものとして退けること。十分に検討せず一括して消し去る、という批判的な含みで用いられることが多い。由来
「一筆」は筆の一払い・一度書くこと、「抹殺」は塗り消して消すこと。文書の文字を筆でさっと消して無効にする動作から、転じて功績・主張・価値などを全面的に否定する意になった。中国語にも同形・同義の成語があるが、日本での初出年や定着時期は未詳。近世以降の漢語的表現とみられる。備考
硬い文章語で、評論・批判文に多い。単に「消す」ではなく、功績や価値まで乱暴に全否定するニュアンスがある。例文
- 先人たちの努力を一筆抹殺するような発言は、あまりに乱暴だ。
- 新しい説が出たからといって、従来の研究成果を一筆抹殺してよいわけではない。
- 彼は失敗だけを取り上げて、その計画の意義を一筆抹殺してしまった。
- 批評家は作品の欠点を指摘したが、作者の才能まで一筆抹殺したわけではなかった。
- 戦後の価値観だけで当時の判断を一筆抹殺するのは、公平な見方とは言えない。
類義語
- 全否定
- 全面否定
- 一蹴
- 黙殺
- 抹消
- 否定し去る
対義語
- 肯定評価
- 正当評価
- 再評価
- 承認
- 尊重