一狐之腋
読み方
いっこ の えき意味
一匹の狐の腋の下にある白く柔らかな毛皮のように、量は少なくても非常に貴重なもののたとえ。転じて、多くの凡人やありふれた物よりも、一人の優れた人物・一つの優れた品のほうが価値が高いことをいう。由来
中国前漢の司馬遷『史記』「趙世家」に見える「千羊之皮、不如一狐之腋」に由来する。『史記』は紀元前91年ごろ成立とされる。狐の腋の白毛は少量でも上質で珍重されたため、千枚の羊皮にも勝る貴重品の比喩となった。備考
古典由来の硬い表現で、日常会話ではまれ。人材や品物の希少価値を称える文脈で使う。「腋」は音読みで「えき」と読む。例文
- 人員を十人増やすより、彼のような一狐之腋の技術者を一人迎えるほうが、開発は大きく進むだろう。
- この古写本は保存状態も来歴も申し分なく、まさに一狐之腋と呼ぶにふさわしい資料だ。
- 会議で皆が同じ意見を述べる中、彼女の率直な指摘は一狐之腋の価値があった。
- 大量の安価な装飾品を並べるより、一狐之腋の名品を一つ置いたほうが店の格は上がる。
- 社長は、従順な部下を大勢集めるより、一狐之腋の参謀を得ることを重んじた。
類義語
- 一騎当千
- 希世之才
- 希世の宝
- 和氏之璧
- 唯一無二
対義語
- 千羊之皮
- 有象無象
- 烏合之衆
- 凡百之輩
- 掃いて捨てるほどのもの