一念三千
読み方
いちねん さんぜん意味
天台宗の根本思想の一つで、人の心の一瞬のはたらき(一念)の中に、宇宙のあらゆる現象や可能性(三千世間)がすべて備わっているとする考え。転じて、わずかな心の動きが世界や人生全体に深く関わるという意味でも用いられる。由来
中国・隋代の天台大師智顗(ちぎ、538~597)が、6世紀末ごろに著した『摩訶止観』で体系化した仏教教理に由来する。十界互具・十如是・三世間を掛け合わせて「三千」とし、それが一念に具わると説いた。日本では平安初期、最澄による天台宗伝来以後に広まった。備考
仏教、とくに天台宗・日蓮系で重視される専門語。日常会話での使用は少なく、比喩的に使う場合も本来は深い宗教思想を背景にもつ語である。例文
- 天台教学では、一念三千は心と世界の関係を説明する重要な教えとされる。
- 住職は法話で、「一念三千とは、この一瞬の心が生き方全体につながるということです」と説いた。
- 日蓮は一念三千の思想を重視し、凡夫の一念にも仏の境地が具わると論じた。
- 彼は一念三千という語を引き、小さな決意が人生を大きく変えることを語った。
- 仏教史の授業では、一念三千が中国天台から日本天台へ受け継がれた過程を学んだ。