鬼も人の子
読み方
おにも ひとのこ意味
一見すると冷酷で情けのない人、鬼のように恐ろしく厳しい人でも、実は普通の人と同じように情や思いやり、弱さを持っているというたとえ。相手を完全に非情だと決めつけられない、という意味でも使う。由来
「鬼」は昔話や説話で残酷さ・恐ろしさの象徴、「人の子」は人間の子、転じて人並みの情を持つ者の意。鬼のように見える者でも本来は人の情を備える、という発想から生まれた表現で、明確な初出は不詳だが、近世(江戸時代ごろ)にはことわざ的に用いられていたとされる。備考
実際の鬼を指すより、「鬼のように怖い・冷たい人」に対して使うことが多い。相手の意外な情けや弱さを見た場面で用いる、やや古風な言い回し。例文
- 普段は鬼のように厳しい監督が、けがをした選手に優しく声をかけたので、鬼も人の子だと思った。
- いつも怒ってばかりいる店長が、退職する部下のあいさつで涙ぐんだ。まさに鬼も人の子である。
- 敵将が子どもだけは逃がしたと聞き、鬼も人の子という言葉を思い出した。
- 厳格な祖父も孫の頼みには弱い。鬼も人の子とはこのことだ。
- あの取引先は手厳しいが、事情を話すと支払いを待ってくれた。鬼も人の子ということか。
類義語
- 鬼の目にも涙
- 鬼にも情け
対義語
- 血も涙もない
- 冷酷無情
- 情け容赦がない