鬼の目にも涙
読み方
おにのめにもなみだ
意味
ふだん冷酷で情け容赦ないと思われている人でも、時には同情したり感動したりして涙を流すことがある、というたとえ。意外な優しさ・人情が表れる場面や、強い人が弱さを見せる場面にも用いる。
由来
「鬼」は残酷で情けのない存在の象徴で、その鬼でさえ涙を流すほど心を動かされる、という比喩表現から生まれた。成立年代は明確ではないが、近世以降の口語的なたとえとして広く用いられてきたとされる。
備考
「鬼」は比喩で、実在の鬼を指さない。人の意外な情や弱さを述べるときに使う。相手を「鬼」と呼ぶ形になるので、面と向かって使うと失礼になり得る。
例文
- 普段は厳しい部長が退職する社員の挨拶で涙ぐんだ。まさに鬼の目にも涙だ。
- あれほど冷たいと思っていた父が、子どもの発表会で泣いたなんて鬼の目にも涙だよ。
- 勝負に徹する監督が選手のけがに胸を痛めた。鬼の目にも涙というやつだ。
- 彼は強がっていたが、母の手紙を読んで鬼の目にも涙だった。
- 鬼の目にも涙とは言うけれど、あの人が謝ったのには驚いた。
類義語
- 仏の顔にも三度
- 情けは人の為ならず
- 血も涙もある
対義語
- 鬼の目にも涙(の反対として)という定型は特にないが、「冷酷無情」「血も涙もない」などが対照的