角を矯めて牛を殺す
読み方
つのをためてうしをころす
意味
小さな欠点や些細な誤りを無理に正そうとして、かえって全体を損ねたり、より大きな害を招いたりすること。部分の是正にこだわりすぎて本来守るべき大事を失う、という戒め。
由来
中国の古典『淮南子(えなんじ)』に見える「角を矯めて牛を殺す」に由来するとされる。牛の曲がった角を力任せにまっすぐに矯正しようとして牛を死なせてしまう、というたとえ話から生まれた。成立年代は原典が前漢(紀元前2世紀ごろ)とされる。
備考
「ためる」は「矯める(曲がりを直す)」の意。些末な点の是正が目的化し、全体の利益を損なう場面への戒めとして用いる。表記は「矯めて/ためて」両方見られる。
例文
- 規則の文言にこだわりすぎて現場が回らないのは、角を矯めて牛を殺すようなものだ。
- 誤字を一つ直すために文章全体を大改稿するのは、角を矯めて牛を殺す結果になりかねない。
- 部下の些細なミスを執拗に責め立てて退職させたら、角を矯めて牛を殺すだ。
- 細かな節約に固執して必要な投資まで削るのは、角を矯めて牛を殺す行為だ。
- 完璧を求めて仕様をいじり続けたせいで納期を落とした。まさに角を矯めて牛を殺す。
類義語
- 角をためて牛を殺す
- 小過を責めて大事を失う
- 本末転倒
- 枝葉末節にこだわる
- 木を見て森を見ず
対義語
- 過ちては改むるに憚ること勿れ
- 中庸
- 臨機応変