犬の因果
読み方
いぬ の いんが意味
前世の悪業の報いで犬に生まれ、つらくても口に出して訴えられない、という発想から、どうしようもなく哀れでつらい境遇や、みじめな宿命をいう。理不尽な扱いに耐えるしかない状態を嘆いていうことが多い。由来
正確な初出年は不詳。仏教の因果応報・六道のうち畜生道の観念を背景に生まれた表現で、中世以降に成立し、遅くとも江戸時代には成句として定着していたと考えられる。犬のように言葉で訴えられない哀れな境遇を、前世の因果になぞらえたもの。備考
古風でやや文語的な表現。現代の日常会話では頻度が低く、時代小説・落語・年配の話し言葉で見かけやすい。他人に使うと強い卑下や侮蔑に響くことがある。例文
- こんなに尽くしても感謝もされないとは、まったく犬の因果だ。
- 借金取りに追われる暮らしを、祖父は犬の因果だと嘆いた。
- 理不尽な上司の下で黙って働く毎日を、彼は犬の因果だと笑った。
- 家族のためとはいえ、危険な仕事を続けるしかないなんて犬の因果というほかない。
- 古い小説や落語では、弱い立場の者の哀れな運命を犬の因果と表現することがある。
類義語
- 因果な身
- 悲運
- 薄命
- 不遇
対義語
- 幸運
- 順境
- 果報