火で火は消えぬ
読み方
ひで ひは きえぬ意味
怒り・暴力・強硬な手段に対して、同じような怒りや暴力で応じても問題は解決しない、という意味。争いに争いで対抗すれば、火を火で消そうとするように効果がなく、かえって事態を悪化させるという戒め。由来
正確な初出は不詳。同じ趣旨の表現は、中国の戦国時代後期ごろ(紀元前4〜3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』人間世篇の「以火救火(火を以て火を救う)」に見える。日本では漢籍の訓読表現「火を以て火を救う」が知られ、そこからより平易な形の「火で火は消えぬ」として用いられるようになったと考えられるが、この形の成立時期は明確ではない。備考
実際の消火ではなく、人間関係・政治・交渉などの比喩に用いる。末尾の「ぬ」は文語の否定で、現代語の「消えない」にあたる。例文
- 部下が感情的に反論してきたからといって、上司まで怒鳴ってはならない。火で火は消えぬというものだ。
- ネットで中傷されたから中傷で返すのは、火で火は消えぬで、騒ぎを大きくするだけだ。
- 隣国の挑発にすぐ武力で応じれば、火で火は消えぬ結果になりかねない。
- 兄弟げんかを止めようとして父まで怒り出したので、母は『火で火は消えぬよ』とたしなめた。
- クレーム客にきつい言葉で言い返すのではなく、まず冷静に事情を聞こう。火で火は消えぬからだ。
類義語
- 火を以て火を救う
- 火に油を注ぐ
- 売り言葉に買い言葉
- 暴を以て暴に易う
対義語
- 毒を以て毒を制す
- 毒を以て毒を攻む
- 目には目を、歯には歯を