敵に塩を送る
読み方
てきに しおを おくる意味
争っている相手やライバルが苦境にあるとき、その弱みにつけ込まず、むしろ助けることをいう。勝てる好機でも卑怯な手は使わず、義理や公平さを重んじる態度を表すことわざ。由来
戦国時代、永禄11年(1568年)ごろの逸話に由来するとされる。甲斐の武田信玄が北条氏などに塩止めを受けて困った際、敵対していた越後の上杉謙信が「弓矢で戦うべきで、塩で苦しめるべきではない」として塩を送ったという話から生まれた。史実には異説もあるが、近世以降に広く知られるようになった。備考
相手を甘やかすというより、正々堂々と戦うために助けるという含みがある。現代では商売・スポーツ・政治などで、競争相手をあえて支援する比喩として使う。例文
- 競合他社が災害で出荷停止に追い込まれたとき、社長は必要な資材を融通し、まさに敵に塩を送った。
- 長年対立してきた部署が人手不足になったが、部長は応援要員を出して敵に塩を送る判断をした。
- 試合前に相手校の用具が壊れたため、監督は予備を貸し、敵に塩を送るような対応だと話題になった。
- 選挙で争う相手の病気を知った彼は、中傷を控え、敵に塩を送る姿勢を貫いた。
- 倒産寸前のライバル企業を買いたたくのではなく、共同で市場を守ろうと提案するのは、敵に塩を送る行為ともいえる。
類義語
- 仇を恩で報いる
- 怨みに報ゆるに徳を以てす
- 武士の情け
対義語
- 人の弱みに付け込む
- 落ち目に石を投げる
- 弱者を追い打ちにする