抜かぬ太刀の高名
読み方
ぬかぬ たち の こうみょう意味
実際に刀を抜いて戦ったわけではないのに、手柄や名声を得ること。転じて、苦労や危険を冒さず、たいした実行もないまま評判や功績だけを得ることをいう。多くは、実力以上に持ち上げられる場合や、偶然に名誉を得る場合に用いる。由来
成立時期は未詳。武士の時代に、刀を抜いて戦わなくても、相手が恐れたり退いたりしたために名声を得る状況をたとえたものとされる。「太刀」は武士の刀、「高名」は手柄・名誉の意。中世から近世の武家社会の価値観を背景に広まった表現と考えられる。備考
古風で硬い表現。日常会話より文章・歴史物・批評で使われやすい。称賛にも皮肉にもなるが、現代では「実働なしの名声」という皮肉が多い。例文
- 彼は会議で一言も発言しなかったのに、企画が成功すると代表者として称賛され、まさに抜かぬ太刀の高名だった。
- ライバル会社が自滅したおかげで市場を取れたのだから、今回は抜かぬ太刀の高名と言われても仕方がない。
- 先輩の作った資料を提出しただけで上司に褒められ、抜かぬ太刀の高名のようで少し気が引けた。
- その武将は戦わずして敵を退かせたため、抜かぬ太刀の高名を天下に知らしめた。
- 偶然トラブルが解決しただけなのに、彼の判断がよかったことになり、抜かぬ太刀の高名を得た。
類義語
- 労せずして功を得る
- 棚から牡丹餅
- 濡れ手で粟
- 骨折らずの利
対義語
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず
- 蒔かぬ種は生えぬ
- 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ