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情けに刃向かう刃なし

読み方

なさけ に はむかう やいば なし

意味

人の思いやりや慈悲の心には、武力や敵意で対抗することはできないという意味。相手を力でねじ伏せるより、温情や誠意をもって接するほうが、人の心を動かし、争いを鎮める力を持つという教え。

由来

明確な初出や成立年は不詳。近世以降に広まった教訓的なことわざと考えられ、「情け」は慈悲・思いやり、「刃向かう刃」は敵意や武力の象徴で、温情の前では武器も役に立たないという比喩から成る。江戸時代の庶民的な道徳観や仏教的な慈悲の思想と親和性が高い表現。

備考

やや古風で文語的な響きがあり、日常会話よりも文章・スピーチ・説教的な文脈で使われやすい。単なる同情ではなく、誠意ある温情を指す。

例文

  • 怒鳴り込んできた相手にも社長は丁寧に謝罪し、最後には相手も納得した。まさに情けに刃向かう刃なしだ。
  • 反抗的だった生徒に、先生が根気よく声をかけ続けると、やがて心を開いた。情けに刃向かう刃なしということだろう。
  • 敵対していた取引先にこちらから誠意を示したことで、関係が改善した。情けに刃向かう刃なしを実感した。
  • 彼は厳しく罰するのではなく、事情を聞いて助けの手を差し伸べた。その温かさに、誰も文句を言えなかった。情けに刃向かう刃なしである。
  • 争いを収めたいなら、力で押すばかりではだめだ。情けに刃向かう刃なしと言うように、まず相手の心をほどくことが大切だ。

類義語

  • 柔よく剛を制す
  • 情けは人の為ならず
  • 徳は孤ならず
  • 仁者に敵なし

対義語

  • 恩を仇で返す
  • 仇を恩で報いる
  • 好意を踏みにじる

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