心頭滅却すれば火もまた涼し
読み方
しんとうめっきゃくすればひもまたすずし
意味
どんな苦痛や困難でも、心を無念無想の境地にして動じなければ、灼熱の火でさえ涼しく感じられるほど苦しみを超えられる、というたとえ。要は、心の持ち方・精神力しだいで苦難の感じ方は変わるという教え。
由来
禅語として知られ、出典は唐代の禅僧・寒山(かんざん)の詩(『寒山詩』)に見える句「心頭滅却、火自涼(心頭滅却すれば火自ずから涼し)」とされる。日本では禅の語として中世以降に広まり、戦国期(16世紀)に武田信玄が家臣に示した話などで人口に膾炙したが、正確な成立年は不詳。
備考
禅的な「無心」を理想化した表現で、根性論として他人に強要すると不適切になり得る。原句は「火自涼」で、慣用的に「火もまた涼し」とも言う。
例文
- 真夏の炎天下でも、心頭滅却すれば火もまた涼しと自分に言い聞かせて走り切った。
- 緊張で手が震えたが、心頭滅却すれば火もまた涼しだと思って深呼吸した。
- 痛みはあるが、心頭滅却すれば火もまた涼し。まずは落ち着いて対処しよう。
- 苦手なプレゼンも、心頭滅却すれば火もまた涼しと腹をくくれば案外できる。
- 彼は逆境でも表情を変えない。まさに心頭滅却すれば火もまた涼しを地で行く人だ。
類義語
- 精神一到何事か成らざらん
- 念ずれば通ず
- 泰然自若
- 平常心
- 心を静める
対義語
- 火に油を注ぐ
- 心ここにあらず