小隠は山に隠れ大隠は市に隠る
読み方
しょういん は やま に かくれ たいいん は いち に かくる意味
中途半端な隠者は人里離れた山林に身を隠すが、真に悟った大人物は、俗世のただ中である町や市場にいても心を乱されず、世間から超然としていられるということ。環境を避けるより、心の持ち方が大切だという教え。由来
中国古典に由来する句で、晋代(3〜4世紀)の詩人・王康琚の「反招隠詩」に見える「小隠隠陵藪、大隠隠朝市」に基づくとされる。山林に逃れる隠者より、朝廷や市中にあっても俗に染まらない人物を高く見る老荘的な隠逸思想を背景に、日本にも漢籍を通じて伝わった。備考
文語的で格調高い表現。「市」は市場・町の意。「隠る」は文語で「かくる」と読む。日常会話より文章・評論・人生訓で使われる。例文
- 彼は都心の会社で働きながら物欲に流されず暮らしていて、まさに小隠は山に隠れ大隠は市に隠るという感じだ。
- 静かな田舎に移れば心が落ち着くとは限らない。小隠は山に隠れ大隠は市に隠るで、まず自分の心を整えるべきだ。
- 師匠は繁華街の一角に住みながら、世俗の名声にまったく動じない。小隠は山に隠れ大隠は市に隠るとはこのことだ。
- 彼女はSNSの喧騒の中にいても自分の価値観を失わない。現代版の小隠は山に隠れ大隠は市に隠ると言えるだろう。
- 山寺にこもるだけが修行ではない。小隠は山に隠れ大隠は市に隠るというように、日常の中で心を磨く道もある。
類義語
- 大隠は市に隠る
- 大隠朝市
- 和光同塵
- 市中の山居
対義語
- 朱に交われば赤くなる
- 俗に染まる