売り家と唐様で書く三代目
読み方
うりいえと からようで かく さんだいめ意味
先代や先々代が築いた財産・家業を、三代目が道楽や見栄で食いつぶし、ついには家を売るようになることを皮肉っていうことば。実務の力はないのに、教養や体裁だけは立派な後継者、また家業を衰えさせる子孫をさす。由来
江戸時代後期、18世紀後半ごろに広まった川柳・俗諺とされる。『唐様』は中国風の書風・書体のこと。先祖が築いた身代を三代目が失い、家を売る札だけは気取って達筆に書く、という情景で、没落した商家の後継者を風刺した。初出の細かな時期には諸説あるが、江戸の町人文化の中で生まれた表現として知られる。備考
江戸ことばらしい皮肉の強い表現。現代では老舗の後継者に限らず、親の遺産を浪費する人や、体裁ばかりで経営力のない人にも比喩的に使う。例文
- 祖父が築いた店を遊び半分で畳んだ彼は、まさに『売り家と唐様で書く三代目』だ。
- 老舗の息子が見栄ばかり張って赤字を増やすので、近所では売り家と唐様で書く三代目だと噂されている。
- 家業を継ぐなら、売り家と唐様で書く三代目にならないよう、まず現場を知るべきだ。
- 立派な学歴はあるのに経営感覚がなく、会社を傾けた彼にこのことわざを当てはめる人も多い。
- 店先に『売家』の札が達筆で出ているのを見て、叔父は『売り家と唐様で書く三代目とはこのことだ』と苦笑した。
類義語
- 親の七光り
- 親の脛をかじる
- 身代を潰す
- 放蕩息子