仇を恩で報いる
読み方
あだをおんでむくいる
意味
自分に害や恨みを与えた相手に対して、仕返しをするのではなく、親切や善意で応じてその恨みを解くこと。寛容さ・徳の高さを示す言い方で、相手を改心させたり関係を修復したりする意図を含むことが多い。
由来
中国古典に見える「怨みに報いるに徳を以てす」(『論語』などに由来するとされる表現)に基づく考え方が、日本でことわざとして定着したもの。日本語としての成立時期の特定は難しいが、漢籍受容が進んだ中世〜近世以降に広く用いられるようになったと考えられる。
備考
道徳的に高く評価される一方、現実には難しいため「理想論」として語られることもある。個人の安全や境界線を無視してまで我慢する意味ではない。
例文
- 彼は過去に裏切った相手にも手を差し伸べ、仇を恩で報いる生き方を貫いた。
- あのとき怒鳴り返さずに助けてくれたのは、まさに仇を恩で報いる態度だった。
- 復讐よりも対話を選び、仇を恩で報いることでチームの空気が変わった。
- ひどい扱いを受けたのに、彼女は笑顔で対応し、仇を恩で報いるとはこのことだと思った。
- 仇を恩で報いるのは理想だが、まずは自分の心を守ることも忘れるな。
類義語
- 仇を徳で報いる
- 怨みに報いるに徳を以てす
- 怨みを恩で返す
対義語
- 仇を仇で返す
- 目には目を、歯には歯を
- 倍返しにする