鬼の念仏
読み方
おにのねんぶつ
意味
ふだん冷酷・無慈悲で人情のない者が、珍しく念仏を唱えたり善人ぶったりして、急に信心深い・やさしい態度を見せること。また、そのような意外な出来事。多くは皮肉や疑いを含んで用いる。
由来
「鬼」は残忍・非情の象徴、「念仏」は阿弥陀仏の名号を唱える信仰行為で、慈悲や救いを連想させる。相反するものを組み合わせて「あり得ないほど不釣り合いな行為」を表した言い回し。成立年代は明確ではないが、念仏が広く民間に浸透した中世(鎌倉〜室町期)以降の発想と考えられる。
備考
相手の善行を素直に褒めるより、意外さ・不自然さを皮肉る語感が強い。面と向かって言うと失礼になりやすいので注意。
例文
- あのケチが奢るなんて、まるで鬼の念仏だ。
- 普段怒鳴ってばかりの上司が急に優しいのは、鬼の念仏で何か裏があるのかもしれない。
- 彼がボランティアに参加するとは鬼の念仏だと皆が驚いた。
- 選挙前だけ腰が低いのは鬼の念仏だ、と有権者は冷ややかだった。
- あの人が謝るなんて鬼の念仏だから、よほど追い込まれているのだろう。
類義語
- 鬼が仏
- 鬼の霍乱
- 意外なこと
- 柄にもない
対義語
- 仏の顔も三度
- 慈悲深い