猿に烏帽子
読み方
さるにえぼし
意味
猿に烏帽子をかぶせても似合わず滑稽に見えることから、身分や器に合わない立派な装い・地位・役目を与えても、かえって不釣り合いで見苦しい、または効果がないというたとえ。外見だけ整えても中身が伴わないことを皮肉る。
由来
烏帽子(えぼし)は平安時代以降、主に公家や武士などが礼装として用いたかぶり物。猿のような動物に人間の格式ある烏帽子を着けさせると不釣り合いで滑稽に見えることから生まれた比喩とされる。成立の正確な年代は不詳だが、烏帽子が一般に知られた中世(鎌倉〜室町期)以降の表現と考えられる。
備考
相手を見下す響きがあるため、面と向かって使うと失礼になりやすい。自分のことを自嘲して言う用法や、状況説明として婉曲に用いるのが無難。
例文
- 彼は実力が伴わないのに役職だけ上がって、周りからは猿に烏帽子だと言われている。
- 高級スーツを着ても立ち居振る舞いが雑だと、猿に烏帽子になりかねない。
- 急に難しい専門用語を並べても、内容が薄ければ猿に烏帽子だ。
- 見栄でブランド品をそろえたが、結局は猿に烏帽子だと気づいた。
- 経験のない人にいきなり指揮を任せるのは猿に烏帽子で、現場が混乱する。
類義語
- 馬子にも衣装
- 地蔵も化粧
- 弘法にも筆の誤り
対義語
- 鬼に金棒
- 虎に翼