物種は盗まれず
読み方
ものだね は ぬすまれず意味
財産や道具は盗まれることがあっても、自分の身につけた知識・技術・才能・経験などは他人に奪われないということ。形のある物より、身につけた力こそ確かな財産であり、困ったときにも自分を助けるという教え。由来
「物種」は本来、作物の種や物事を生み出すもとを表す語で、転じて生活の資本・技能・知恵などの意味にも用いられた。正確な成立年は不明だが、近世以降のことわざ集・国語辞典類に見える表現で、身についた能力は盗難に遭わないという生活上の知恵から生まれたと考えられる。備考
やや古風で、日常会話では「芸は身を助ける」のほうが一般的。「命あっての物種」の「物種」と同じく、物事の根本・元手を表す語。例文
- 不景気で店を畳むことになったが、料理の腕は残る。まさに物種は盗まれずだ。
- 資格や語学を身につけておけば、環境が変わっても働ける。物種は盗まれずというからね。
- 道具は火事で失ったが、父は物種は盗まれずと言って、また一から家具を作り始めた。
- 若いころに覚えた技術が転職先で役に立ったとき、物種は盗まれずの意味を実感した。
- 財産を残すより、子どもに学問や技能を身につけさせたい。物種は盗まれずだからだ。
類義語
- 芸は身を助ける
- 手に職
- 身についた芸は盗まれぬ
- 学問は身を助く
- 習い性となる
対義語
- 宝の持ち腐れ