家貧しくして孝子顕る
読み方
いえ まずしく して こうし あらわる意味
家が貧しく苦しい状況になると、親をよく助け尽くす本当の孝行者がはっきり分かるという意味。転じて、困難や危機に直面して初めて、人の誠実さ・忠義・真価が明らかになることをいう。由来
中国由来の故事成語。「家貧顕孝子、国乱識忠臣(家貧しければ孝子顕れ、国乱れれば忠臣を識る)」などの漢文句に基づく表現とされる。正確な初出・成立年は不明だが、中国の古い格言として伝わり、日本では漢籍受容を通じて中世〜近世以降、教訓的なことわざとして用いられた。備考
やや古風で硬い表現。家庭内の親孝行だけでなく、組織や社会で「困難が人の真価を明かす」という比喩にも使う。「顕る」は「現る」とも書く。例文
- 父が病に倒れて家計が苦しくなったとき、黙って働き始めた息子を見て、まさに家貧しくして孝子顕るだと思った。
- 会社が危機に陥ると、普段は目立たなかった社員が率先して支えた。家貧しくして孝子顕るとはこのことだ。
- 裕福な時には誰も親切に見えるが、困った時に残って助けてくれる人こそ本物で、家貧しくして孝子顕るというものだ。
- 祖母の介護で家族が疲れ切っていたが、末娘が毎日世話を引き受け、家貧しくして孝子顕るの言葉どおりになった。
- 平穏な時には分からなかった彼の誠意が、苦境になって初めて見えた。家貧しくして孝子顕るということわざを思い出す。
類義語
- 疾風に勁草を知る
- 国乱れて忠臣顕る
- 艱難汝を玉にす
- 歳寒くして松柏の凋むに後るるを知る
対義語
- 貧すれば鈍する
- 衣食足りて礼節を知る