人の将に死なんとするその言や善し
読み方
ひと の まさに しなん と する その げん や よし意味
人は死を目前にすると、虚飾や利害から離れ、本心に基づいた善い言葉、真実味のある言葉を残すものだという意味。臨終の言葉や最後の忠告は、軽く扱わず真摯に受け止めるべきだ、という教訓として用いられる。由来
中国古典『論語』泰伯篇に見える「鳥之将死、其鳴也哀;人之将死、其言也善」に由来する故事成語。孔子の弟子・曾子の言葉とされる。『論語』の成立時期は確定しないが、一般に戦国時代ごろ、紀元前5世紀〜紀元前3世紀頃に編纂されたと考えられる。備考
漢文訓読調の硬い表現で、日常会話より文章・式辞・評論で用いられる。人の死に関わるため、軽い冗談や不用意な場面での使用は避けたい。例文
- 父が病床で残した忠告を思い出すたびに、人の将に死なんとするその言や善しという言葉の重みを感じる。
- 彼の最後の手紙には恨み言ではなく家族への感謝が綴られており、まさに人の将に死なんとするその言や善しだった。
- 余命を悟った社長の言葉は短かったが、会社の未来を思う真心があり、人の将に死なんとするその言や善しと言うべきものだった。
- 祖母の臨終の言葉を聞いて、兄弟は争いをやめた。人の将に死なんとするその言や善しとはこのことだ。
- 死を前にした人物の告白だからこそ、人の将に死なんとするその言や善しとして、捜査員たちは慎重に受け止めた。
類義語
- 鳥の将に死なんとするやその鳴くや哀し、人の将に死なんとするやその言や善し
- 死に際の言葉は真実を帯びる
- 末期の言葉は重い
- 遺言は重し
対義語
- 口先だけ
- 巧言令色
- 嘘も方便
- 歯の浮くようなことを言う