人に善言を与うるは布帛よりも暖かなり
読み方
ひとに ぜんげんを あたうるは ふはくよりも あたたかなり意味
人に思いやりのあるよい言葉や励ましをかけることは、絹や綿の布で体を温める以上に、相手の心を温め、力づけるという意味。物を与えることだけでなく、言葉による慰め・称賛・助言にも大きな価値があると説く。由来
中国戦国時代末期の思想書『荀子』栄辱篇にある「与人善言、暖於布帛;傷人之言、深於矛戟」に基づく。荀子は紀元前313年頃〜紀元前238年頃の儒家思想家で、書物としての成立は紀元前3世紀頃とされるが、編纂過程には諸説ある。日本では漢文訓読を通じて「人に善言を与うるは布帛よりも暖かなり」と読まれ、言葉の効用を説く格言・ことわざとして用いられるようになった。備考
文語・漢文訓読調で、日常会話ではかなり硬い表現。「善言」はよい言葉、「布帛」は織物のこと。後半の「人を傷つくる言は矛戟よりも深し」と対にして引用されることも多い。例文
- 受験に落ちて落ち込む友人に先生がかけた一言で彼は立ち直り、「人に善言を与うるは布帛よりも暖かなり」だと思った。
- 高価な差し入れより、母の「よく頑張ったね」のほうが身にしみた。まさに人に善言を与うるは布帛よりも暖かなりである。
- 部下を叱るときも、最後に期待している点を言葉で伝えるべきだ。人に善言を与うるは布帛よりも暖かなりという。
- 寒い避難所で、ボランティアの温かい声かけが皆を励ました。人に善言を与うるは布帛よりも暖かなりとはこのことだ。
- SNSでは批判よりも、相手を勇気づける善言を選びたい。人に善言を与うるは布帛よりも暖かなりだからだ。
類義語
- 善言は布帛よりも暖かし
- 良言一句三冬暖かなり
- 一言芳恩
- 言葉は心の使い
対義語
- 人を傷つくる言は矛戟よりも深し
- 口は禍の門
- 舌は禍の根